三生医薬、マレーシア営業所を開設
静岡県富士市に本社を置く三生医薬株式会社が、新たにマレーシア・ペナン州に営業所を設立しました。この新しい拠点は、アジア、インド、中東を含む地域、通称「AIMリージョン」への本格的な海外展開の第一歩となります。これにより、三生医薬は健康食品分野でのグローバルな市場の開拓を進めることを目指しています。
マレーシア営業所の役割と意義
設立された営業所は、主に現地市場の調査や事業機会の開発、パートナーシップ構築といった業務を担います。急成長を遂げるAIMリージョンの市場で、特に健康意識の高まりや生活習慣病の増加に伴い、予防型のヘルスケア需要が拡大しています。三生医薬は、これらのニーズに応えるべく、地域に寄り添った製品開発を行っていく方針です。
市場環境の変化
世界的にサプリメント市場は成長を続けており、2024年には約1,978億ドルに達すると予測されています。この中でAIMリージョンは特に注目されています。生活習慣病や食生活の変化、そして公的医療制度への不安感から、ますます予防型のヘルスケアに対する需要が高まっています。
特に、マレーシアやタイ、インドネシアなどでは栄養補助食品が徐々に消費されるようになっています。また、インドでは可処分所得の上昇によりサプリメントが日常生活に取り入れられるようになり、急速な成長を見せています。さらに中東では、ハラール対応製品への需要が拡大しており、年平均で7〜8%の成長が見込まれています。
三生医薬の取り組み方針
このような背景を受け、三生医薬は次の3つの方針で事業を進めていくことを発表しています。まず第一に、地域密着型の市場調査を通じ、各国の文化や消費行動を理解した上で製品やサービスを設計。また、地域のパートナーとの連携にも力を入れ、信頼性の高い流通網を築き上げます。最後に、地域特有の品質保証体制を強化し、ハラール認証などへ対応することで、地域のニーズにも応えていきます。
現地体制と今後の展望
新しく設立されたマレーシア営業所には、海外営業に特化した専門的人材が配置され、日本側の本社とも高い連携を図ります。市場調査や営業活動を通じて、現地の法制度や消費動向の理解を深め、製造拠点やサプライチェーンの現地化を進めていく計画です。マレーシアを拠点とし、AIMリージョン全体での価値提供体制を強化していくことが期待されています。
代表取締役社長のコメント
三生医薬の今村社長は、「この新しい営業所の開設は、当社の本格的な海外進出の第一歩です。日本で培った技術と品質保証を活かし、現地の文化や制度に応じた柔軟な展開を目指しています。多様な宗教や言語の文化が共存するAIMリージョンで、地域に根ざした製品を提供し、信頼されるパートナーとしての地位を築きます」とコメントしました。
会社概要
三生医薬株式会社は静岡県富士市に本社があり、設立は1993年。健康食品や医薬品の開発・製造を手がけ、資本金は約1億2,338万円、従業員数は830名にのぼります。今後のグローバル展開に期待が寄せられています。