静岡県における肝疾患認知度調査から見る健康リスク

ノボノルディスクファーマ株式会社と株式会社QLifeが共同で行った調査により、静岡県民の脂肪肝およびその関連疾患、MASLD（代謝機能障害関連脂肪性肝疾患）やMASH（代謝機能障害関連脂肪肝炎）の認知度が明らかになりました。調査対象は、静岡県在住の男女2,000人で、各年代層からのデータ収集を行いました。

認知度の現状

調査結果によると、MASLDやMASHの認知度はわずか17.5%と、脂肪肝の認知度84.2%に対して非常に低いことが明らかになりました。この結果は、肝疾患についての認知が不十分であることを示唆しています。

全体の過半数が脂肪肝のリスクについて認知している一方で、実際に脂肪肝と診断された人の約32.2%は医療機関を受診していないか、今後の受診予定もないと回答しています。これは、疾患に対する理解と受診意欲の低さが懸念される結果と言えるでしょう。

受診行動の促進

健康診断で肝機能の異常値を指摘されたときに受診を考える人が約46.3%にのぼる一方で、肝機能に関する検査値の認知度はこれまでのところ低いことが分かりました。知っている検査値としては、主に「γ-GTP」や「ALT（GPT）」が挙がりましたが、必要な知識や理解が浸透していないことが浮き彫りになっています。

MASLDとMASHの重要性

MASLDやMASHは、適切に管理しないと肝硬変や肝がんに進展するリスクが高まります。特に、MASHは進行性の代謝性疾患であり、心血管疾患とも関連しているため、この状況を軽視することはできません。

また、肥満症や2型糖尿病の治療に取り組むノボノルディスクファーマは、MASLD/MASHの治療法や啓発活動を強化することで、多くの人々に貢献することを目指しています。

まとめ

本調査の結果をもとに、静岡県は脂肪肝やMASLD/MASHに関する正しい知識の普及や啓発活動を強化し、健康リスクの低減を図る必要があります。肝疾患は見えづらい一面があるため、早期の認識と受診の促進が地域全体の健康増進につながることでしょう。

今後、ノボノルディスクファーマとQLifeは協力し、これらの疾患の認知度と理解を深める取り組みを続けていくことを宣言しています。生活者に向けた啓発活動を通じて、肝疾患重症化予防に寄与していくことが期待されます。