新しい高耐トラッキング性エポキシ樹脂粉体塗料の登場
住友ベークライト株式会社が新たに開発した高耐トラッキング性エポキシ樹脂粉体塗料は、電気絶縁の性能を高めるための革新的な材料です。この製品は比較トラッキング指数(CTI)が900Vに達することで、高電圧がかかる導体の絶縁被覆に非常に適した無溶剤型塗料として注目されています。
なぜ高耐トラッキング性が求められるのか
近年、特にヨーロッパやアメリカを中心に、電気自動車(EV)の電気システムが800Vの高電圧化へと進んでいます。この流れはEVだけではなく、eVTOLやその他電動車両、さらには産業機械や再生可能エネルギーシステムにおいても加速しています。このような背景から、耐トラッキング性を有する絶縁材料のニーズは急増しており、住友ベークライトはその要求に応える形で新製品を開発しました。
製品の特長
新開発のエポキシ樹脂粉体塗料は、環境に優しい無溶剤タイプであり、一般的な液体塗料と比較して形状安定性や生産性が優れています。また、熱硬化型エポキシ樹脂をベースにしたこの粉体塗料は、導体との接触で化学反応を起こし、強力な接着力を実現します。
通常、エポキシ樹脂粉体塗料は非常に高い絶縁破壊電圧(30~40kV/mm)を誇りますが、本製品はSTT試験に基づいたCTI試験で900Vを達成。これにより、高電圧化のトレンドにおける課題にも対応できる性能を発揮します。
開発の背景と期待される効果
住友ベークライトでは、900Vでの経年使用においても絶縁性能の低下リスクが低いことを確認しました。これにより、導体間の距離を短縮することが可能になり、電気システムや部品の小型化・高効率化に寄与します。さらに、金型を必要とせずにさまざまな形状の導体表面への薄塗装が実現できる点も特筆すべき利点です。
今後の展開
今後、住友ベークライトはこの高耐トラッキング性エポキシ樹脂粉体塗料をEVのバッテリーバスバー等の用途に採用し、さらなる市場拡大を目指します。また、ドローンや風力発電機のモーターに使用されるバスバー・バスリングなど、様々な分野でのニーズにも適応していく計画です。
本製品はCTI900Vの性能が確認されており、サンプル供試が間もなく開始される予定です。電動化が進む未来に向けて、住友ベークライトはさらなる革新を追求していきます。
お問い合わせや詳細については、住友ベークライト株式会社のマテリアルズソリューション営業部までご連絡ください。電話番号は03-5462-4757です。