香りで健康をサポート!「β-カリオフィレン」の可能性
私たちの日常は、さまざまな香りに囲まれている。リラックスをもたらすコーヒーのかおりや、森林の香りは心を和ませる一方で、排気ガスやタバコの煙など不快な香りも存在する。これらは心と体に悪影響を及ぼす可能性があることは、ただの常識だろう。しかし、もし「香りには良い影響を与えるものもあるのでは?」という思いから始まったのが、三生医薬と近畿大学の共同研究である。
機能性香料の提唱
近年、「機能性香料」や「機能性フレグランス」という新たな概念が学術界で提案されているが、それはほとんどが理論や基礎研究に留まっている。三生医薬は、香りの力を科学的に検証し、その健康価値の実用化を目指している。特に注目されているのが、天然香気成分の「β-カリオフィレン(BCP)」だ。
この成分は黒コショウやバジル、クローブに含まれ、ウッディーでスパイシーな香りを持つ。香り付けやマスキングだけでなく、心と身体の健康に何らかの影響を与える可能性があるとされ、注目されている。
健康課題に立ち向かう
高齢化社会が進む日本では、動脈硬化や心血管疾患に加え、ストレス社会による不安や緊張、さらには気温や気圧の変化による気象病(天気痛)が深刻です。これらを改善する新たなアプローチとして、BCPが期待を集めている。
大阪万博での体験展示
2025年9月、EXPO2025大阪・関西万博において、BCPに関する研究成果を展示した「未来のかおり」ブースが設立され、多くの来場者が体験しました。シームレスカプセルに精油を封入した「香るカプセル」が提供され、訪れた方々の多くが新しい香りの健康効果に興味を示しました。「身体に良い香りがあることは考えていなかった」との声も寄せられ、BCPの認知が拡大するきっかけとなった。
新たな研究成果の発表
続く2025年10月には、東京ビッグサイトで開催された「食品開発展2025」において、BCPの新しい研究成果が正式に発表された。この研究では、BCPを含むカプセルを4週間摂取した結果、気象病による頭痛や倦怠感に対し有意な改善が確認された。この発表は、BCPが気象病の改善に寄与する可能性を示した初の試みであり、消費者にとって身近な健康の希望となりうる。
社会課題の解決に向けて
気象病は、日本の成人の約半数が自覚していると言われており、その背後にはおよそ1,000万人以上の人々が慢性的な頭痛や倦怠感に悩まされているとされている。このような背景から、BCPの研究はただの香りの提案に留まらず、実際の健康問題の解決に直結する可能性が浮上している。
黒コショウ由来の天然素材
BCPは安全な天然素材であり、CBDの代替材としても注目されている。この強力な香り成分は、リラックス効果や血管健康、冷え対策など、様々な健康機能を持つとされている。
さらなる展開と応用
三生医薬は、BCPを活用した製品開発や共同研究を進めており、サプリメントやアロマ製品、入浴剤など多岐にわたる製品への応用を期待している。また、独自の製剤技術を活かし、「香って効く」という新たな発想の製品を開発していく考えだ。このように、BCPは健康食品の市場に新たな価値を生み出す重要な素材になるだろう。
まとめ
三生医薬のβ-カリオフィレンは、香りが持つ健康価値という新たな視点を提示しており、社会問題の解決に向けた一助となることが期待されています。今後の研究や製品化に注目が集まる。
会社情報
静岡県富士市に本社を構える三生医薬株式会社は、独自の原料開発を行い、健康食品や医薬品の企画・開発において業界のリーディングカンパニーです。今後もBCPを中心に新たな製品展開が期待されています。