小売業の未来を担う新たなパートナーシップ
2024年、Telexistence株式会社(以下、TX)とアメリカのPhysical Intelligence(以下、PI)が画期的なパートナーシップを結びました。この両社の取り組みは、小売業における商品補充業務の自動化を目指すもので、ロボット技術の進化を後押しします。特に、コンビニエンスストアでの運用が注目されており、労働力不足が問題視される中、技術革新が期待されています。
TXは、同社が開発したロボット「GHOST」を活用し、主に飲料の補充業務を自動化してきました。しかし、棚内で横転してしまった商品など、予測が困難な事態は依然として人間のオペレーターによる対応が必要でした。TXとPIが共同で開発を進めることで、これまで人間が行っていた複雑な操作をロボット自体が自律的に行うことが可能になるのです。
パートナーシップの役割
TXは、小売店舗で使用されるロボットから取得された遠隔操作データを提供し、PIの先進的なロボット基盤モデルに自社のロボティクス技術を結びつけていきます。これにより、変則的な事象からもロボットが自ら学ぶことができるようになります。一方、PIは、TXから得られたデータを使って、Vision Language Action(VLA)モデルをさらに洗練させ、アノマリーと呼ばれる異常事象から自主的に復帰できる能力を持つポリシーを開発します。
この協力によって、未来のロボットは従来の人間のスキルを超えた身体知を持つようになります。TXとPIのデータを基にした学習ループが継続的に進化していくことで、さまざまな産業において瞬時に状況判断を行い、自律的にタスクをこなす新たなプラットフォームの設計を目指します。
未来に向けた展望
この新たなパートナーシップにより、今後の小売業界をはじめ様々な領域でのロボット技術の適用が進むことが期待されています。すでに取り組みは始まっており、これからの進展が注目されています。進捗があるたびに最新情報を発表していく予定です。
TXは、東京に拠点を置くロボティクス企業であり、人工知能を活用したリモートコントロールロボットの開発を行っています。そのミッションは、ロボットと社会構造を変革することです。それに対してPIは、サンフランシスコを拠点に一般目的のAIを物理世界に持ち込むことに特化した企業であり、今日のロボットと未来の物理的デバイスの技術を発展させています。
この二社の協力により、ロボットが多岐にわたる業務を支え、人々の生活をより豊かにする未来が実現することが期待されます。