板金加工に新たな表面処理技術が導入
2025年9月8日、株式会社ミスミグループ本社の提供するAIプラットフォーム「meviy(メビー)」において、板金加工に関する新たな表面処理サービスが開始されます。このサービスでは、耐食性と導電性に優れた
「アロジン処理相当(三価クロム化成処理)」を提供し、日本国内はもちろん、欧州市場にも対応します。特に欧州では「Trivalent Chromate Passivation(SurTec 650)」という名称で展開され、環境規制に準拠した革新的な技術として注目されています。
新技術の背景と必要性
アロジン処理はアルミニウム部品に適した表面処理技術であり、航空宇宙業界や電子機器業界などで幅広く採用されています。しかし、これまでこれに対応できる加工業者は限られており、処理の価格や納期に関する不安も多く存在しました。特に、欧州ではREACH規制により、従来の有害な六価クロム処理が制限されているため、代替技術の需要が急増しています。これを受けて、ミスミは生産体制を強化し、この革新的な処理サービスの提供を可能にしました。
今後、このアロジン処理相当の技術は、電子機器の筐体やブラケット、バスバー等、導電性や耐食性が求められる部品や、塗装密着性が必要なカバー・パネル・ボックス等の前処理にも活用される見込みです。
サービス概要
この新たな表面処理サービスの具体的な内容は以下の通りです。
- - リリース日: 2025年9月8日
- - 対象サービス: 板金加工
- - 追加表面処理: 日本ではアロジン処理相当(三価クロム化成処理)、欧州ではTrivalent Chromate Passivation(SurTec 650)
- - 対象材質: A5052
- - 対象板厚: 0.8〜6.0mm
- - 納期: 日本では最短7日目、欧州では最短12日目出荷が可能
このサービスにより、顧客はより高機能で環境に優しい部品を取得できるようになります。特に、耐食性や導電性を兼ね備えた部品の需要が高まっている中で、この新技術は大きな効果をもたらすでしょう。
ミスミの取り組み
株式会社ミスミグループは、このテクノロジーの進展を通し、お客様のニーズに応えるため、今後もグローバルでのサービス展開を進めます。特に、IA(インダストリアル・オートメーション)産業に向けたソリューションは、生産性の向上だけでなく、スピーディーな部品調達を実現します。
既にmeviyでは、機械部品の3Dデータをアップロードすることで、AIによる即時見積もりを可能にし、最短で1日以内に出荷を実現しています。これによって顧客の部品調達における非効率を大幅に削減し、製造業の生産性向上に寄与しています。
まとめ
ミスミの新たな表面処理技術は、環境への配慮を大切にしながらも、航空宇宙や電子機器分野における高い耐食性・導電性を実現するものです。これにより、お客様はさらに持続可能で高機能な製品をスムーズに調達できるようになり、業界全体にとっても大きな進歩となります。ミスミはこれからも、デジタル技術を駆使し、ものづくりの未来を切り開く取り組みを続けていきます。