導電性と省スペースを極めたNSKワーナーの新技術「導電バイパスプレート」

NSKワーナーが導入した新たなる導電技術

静岡県袋井市に本社を置くNSKワーナー株式会社が開発した「導電バイパスプレート」は、高い導電性と省スペース設計を両立させた画期的な製品です。この技術は、今後の電動車市場における重要な役割を果たすことが期待されています。2026年の市場投入を予定しており、販売目標は2027年までに10億円です。

電動車の課題と技術的背景

自動車産業において、電動車の利便性向上は急務となっています。特に航続距離の向上は、多くの消費者が直面する課題です。この課題を克服するため、電動車の駆動部に使われるモータが高電圧化され、その周辺には新たな技術が必要不可欠です。高電圧モータの導入により、電食や電磁ノイズといった問題が生じるため、これに対する耐性が求められています。

特に、自動車が持つ複雑な電気回路では、ノイズの影響でラジオや各種 Systeme が正常に動作しないという不具合が発生することがあり、対策が急務です。このような中、高電圧に対応した導電アイテムのニーズが高まっています。

導電バイパスプレートの特長

NSKワーナーの導電バイパスプレートは、以下の特長を備えています。

1. 高い導電性
導電バイパスプレートは、他社製品に対し約10倍の導電性能を持つことが確認されています。その結果、効率的な電力伝達が実現し、電食対策にも寄与します。

2. 省スペース設計
製品の厚さはわずか0.3mmであり、他社製品の約1/10のサイズを実現しています。これにより、車両設計の自由度が格段に向上します。

3. 容易な装着
他の類似製品とは異なり、圧入工程なしで軸受とハウジングの間に挿入するだけで装着できるため、施工もスムーズです。

導電ペーパとスプリング反力の活用

本製品は、導電ペーパとスプリング反力を活かした構造が特長です。導電ペーパ技術によって、大幅に向上した導電性を実現し、さらに油中での使用を考慮した気孔構造を持っています。

スプリングの反力を利用することで、軸受内輪に安定した接触を維持しつつ、空間を有効に活用できる省スペースの構造が可能となりました。この2つの技術の組み合わせが、導電バイパスプレートの強みです。