河合楽器製作所、米国に電子ピアノの開発拠点設立
株式会社河合楽器製作所は、10月にアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスに新たな電子ピアノの開発拠点を設置したことを発表しました。この新しい拠点は、同社の戦略的な中期経営計画『KAWAI 十年の計』の一環として位置づけられています。
新たな開発拠点の意義
今回の拠点設立は、特に成熟市場での競争力を強化するための重要なステップです。鍵盤楽器市場が10年後も成長を続けると見込まれる中、アメリカは重要なターゲット市場とされています。新設された「電子楽器事業部 開発統括室 USA分室」は、アメリカでのマーケティングや製品開発、基礎技術の研究開発を行う役割を担っています。
この拠点は、現地の価値観やライフスタイルを取り入れた製品設計を進めるための足がかりでもあります。アメリカにおけるシェア拡大を目指して、現地での市場理解を深め、消費者のニーズに応える製品を迅速に提供することを目指します。
グローバルな開発体制の強化
「KAWAI 十年の計」では、成熟市場のシェア拡大と高付加価値製品の投入スピードの加速が最重要課題とされています。この新しい開発拠点は、グローバル開発体制の強化を可能にします。この動きにより、北米市場における製品開発力がさらに強化され、競争力向上に直結すると期待されています。
河合健太郎社長のコメント
河合社長は「このアメリカ開発拠点の新設が、北米市場における当社の成長を促進し、現地の文化を反映した製品を生み出すための重要な布石である」と述べています。社長によれば、現地での製品開発は、消費者のニーズをいち早くキャッチし、より魅力的な製品を提供するための鍵となるとのことです。
今後の展望
今後、河合楽器製作所は、アメリカ市場に焦点を当て、電子ピアノを中心に商品ラインを強化していく方針です。また、外部団体との技術交流や連携も進め、最新の技術を取り入れた製品開発を推進していくとしています。このような戦略により、同社は「世界一の鍵盤楽器メーカー」という目標に近づいていくことでしょう。
今後の河合楽器製作所の動向から目が離せません。