ヤマハ発動機がmeviyを導入し製造プロセスを革新
静岡県磐田市に本社を置くヤマハ発動機株式会社は、二輪車やマリン製品を製造・販売しながら、グローバル規模での展開を行っています。近年、同社は「製造DX」に取り組む中、AIプラットフォームであるmeviy(メビー)を導入しました。この取り組みは、製造現場における効率性や生産性の向上を目指しています。
導入の背景
ヤマハ発動機は、理論値生産活動という新たな考え方を導入し、モノづくりにおける「価値ある作業」の比率を高める方針を採用しています。この方法は、デジタル技術を使った内製化や現場サイエンティストの育成を通じて、近い将来の製造形態を柔軟に変化させることを目指しています。しかし、設計から部品調達にかけて複数の課題が存在しました。
1.
設計プロセスの複雑さ:3DCADで設計した後、部品調達のために2D図面を作成する必要があり、膨大な時間がかかっていました。
2.
教育の負担:設計未経験者への指導が必要で、2D作図の教育がスキル習得の障害となっていました。
これらの課題に対し、meviyがどのように効果を発揮するか、詳しく見ていきましょう。
meviyの導入と導入効果
1. 設計時間の短縮
deviyを使用することで、従来必要だった2D図面作成を省略できました。これにより、装置の精度向上や使いやすさへの検討に充てる時間が大幅に増加しました。加えて、部品の取り間違いやカウントミスを防ぐために開発された「廉価パーツカウンター」は、障がい者雇用促進に向けた取り組み「ヤマハモーターMIRAI」との協力によって生まれたものです。この新たな装置の実現にはmeviyが大きく寄与しています。
2. コスト削減
また、meviyのAI自動見積もり機能を活用し、設計の変更を繰り返しながら、従来よりも劇的に低コストで部品を調達することを実現しました。これによって、設計プロセスにおけるムダを排除し、「廉価パーツカウンター」の多くの現場導入に成功しました。
3. 教育の効率化
meviyは、設計者への教育にも効果を発揮しています。3Dデータのみで見積もりを取得できるため、設計に関する個別指導の必要が大幅に軽減されました。meviyのWebサイトにある豊富な技術情報が、未経験者でも迅速に業務習得を可能にしました。
担当者の声
生産技術本部の佐々木徹様は、「meviyの導入により、時間を有効に活用できるようになり、現場からのアイデアを迅速に形にすることができるようになった」と語ります。また、夏目哲也様も「設計が初めての者でも、CAD操作を覚えればmeviyで具現化することができ、半年で初めての装置を完成させた」とその効果を実感しています。
meviyとは
meviyは、機械部品の3Dデータをアップロードするだけで、AIが即座に見積もりを行うプラットフォームです。これまで、多くの製造業者が経験してきた部品調達に関する非効率を解消し、作業時間を大幅に削減します。このサービスは、国内外で高い評価を受けており、製造業の生産性向上に貢献しています。
ヤマハ発動機のmeviy導入は、今後の製造業におけるDXの可能性を示すものとして、多くの企業にとっての手本となるでしょう。