袋井市が打ち出したカスタマーハラスメント対策
静岡県袋井市は、近年のカスタマーハラスメントの増加に対応するため、基本方針を策定しました。これは、行政サービスに携わる職員が、より安心して業務に従事できる環境を整えることを目指しています。
増加するカスタマーハラスメントの実態
市の窓口や総合案内、夜間の守衛業務においても、関係のない問い合わせや威圧的な言動が見受けられるようになりました。こうした状況が職員の働きに影響を及ぼしているため、市は具体的な対応策を講じる必要性を感じました。
基本方針の核となる考え方
袋井市の基本方針は、以下の三つのポイントに基づいています。
1.
丁寧な接遇の維持:職員は引き続き市民に対し丁寧に応対することが求められます。
2.
慎重な判断:カスタマーハラスメントに該当するかどうかの認定を厳密に行うことで、必要以上に厳しい対応とならないよう配慮されます。
3.
組織的な対応:問題が発生した際には、職員個人ではなく、組織全体でしっかりと対応する姿勢が示されています。
カスタマーハラスメントの定義と具体的な行為
カスタマーハラスメントとは、市民からの不適切な要求や、社会的に受け入れがたい態度によって職員の働く環境が悪化する可能性のある行為を指します。具体的には、次のような行為が含まれます。
- - 不適切な要求内容
- - 威圧的な行動や発言
- - 繰り返し行われる嫌がらせや攻撃
具体的な対応策
袋井市では、職員がカスタマーハラスメントに対処するための具体的な手順も設けています。長時間にわたる対応が必要な場合には、上司を同席させ、それでも解決しないときは退去を命じることができるといった権限が与えられています。また、必要に応じて警察に支援を依頼することも可能です。
さらなる取り組みと今後の展望
この方針の発表にあたり、市は広報活動を強化し、職員に対しても新たなマニュアルに基づく研修を実施します。また、職場の安全環境を保つため、スタッフの教育に注力するとのことです。
袋井市のこの新しい取り組みは、職員が安心して職務に従事できるようにする重要なステップとして評価されており、他の自治体にとっても模範となり得る内容です。市民一人ひとりが、職員に対して敬意を持った対応を心掛けることが、より良い対話につながることを願っています。