街の変化を見守る「エキキタまちおくり」
2025年5月、静岡県富士市の富士駅北口第一地区で開催された地域共創イベント「エキキタまちおくり」。これは、再開発に先立つ解体予定の建物を舞台に、地域住民たちが集まり、古き良き街並みに別れを告げつつ、新たな未来の姿を描く機会となりました。
このイベントは、約4000人もの市民が訪れ、11団体、27社が協力して運営した大規模な共創イベントです。参加者は、街の歴史を振り返りながら、そこに新しい息吹を吹き込む仕組みを体験しました。解体の象徴的なセレモニーや、地域の記憶を共有する写真展など、多彩なコンテンツが揃い、来場者それぞれの心に特別な思い出を創り出しました。
目を引くコンテンツの数々
「エキキタまちおくり」の注目すべきは、その多様なコンテンツ。ここでいくつかを紹介します。
- - 謎解きアドベンチャー:解体予定のビルを巡りながら、まちの歴史や未来を探る体験型ゲーム。
- - コンテンポラリーダンス:著名なダンサーによる、過去と未来の対比を表現したパフォーマンス。
- - 解体セレモニー:重機を用いた儀式的な解体の瞬間に、参加者全員が共に見送りの時を共有。
- - 本気の被災体験:解体による不安を一晩体験することで、地域の防災意識を高める試み。
- - 地域の記憶共有空間:今昔の写真展や、地元の歴史を語り合う場を設け、懐かしさと期待を語る機会を提供。
- - アートコーナー:シャッターや壁をキャンバスに、来場者が自由に描くアートが生まれる空間。
市民の心に残った瞬間
参加者の感想からは、イベントの意義が伝わってきます。「まちに感謝しながら別れられた」との声や、「未来のまちに自分が関われると気づけた」との感想が多く寄せられ、懐かしさと期待が交錯するひとときを共有しました。このイベントを通じて、「まち」は単なる空間ではなく、そこで人々が交わり、育てていくものだと実感した人が多かったようです。
次世代への思い
今回の「エキキタまちおくり」の実行委員長である山岡祐貴氏は、過去の街の思い出を語り継ぐ重要性を強く訴えています。彼は、自分たちの世代が新たな富士駅前を作り上げていく責任を感じていると述べています。そして、上の世代の思い出や景色を次世代にしっかり繋げていくことが、次のまちづくりを支える土台になると信じています。町の変化を受け入れ、過去だけでなく未来とつながる重要なイベントとなりました。
富士駅北口の今後の展望
再開発プロジェクトは、富士駅北側約1.0ヘクタールを対象に、分譲住宅や公益施設、商業店舗、駐車場に加え、広場などが整備されます。ただの建物の再生ではなく、地域全体が活性化することで、訪れる人が描く様々なストーリーを育むことへの期待が集まっています。このように、地域住民が主体的に関与することが、持続可能な未来を築く鍵となるのです。
この「エキキタまちおくり」は、単なるイベントにとどまらず、地域が一体となって未来を創造するスタート地点です。これからの富士駅前を共に育てていく、地域の思いを具体化していくことで、より良い街を築いていきたいものです。
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