静岡・富士宮から始まる生理支援の新たな取り組み
一般社団法人ヘルプフル(代表:深澤健人)が、富士宮市の小中学校に生理用品を無料で配布することを目指すクラウドファンディングを2025年9月1日から開始します。このプロジェクトは、身近にあるにもかかわらずあまり知られていない「生理の社会課題」に取り組むための重要な一歩です。
生理の貧困とは
日本国内でも「生理の貧困」が深刻な問題であることはあまり知られていません。2021年、国際NGOプラン・インターナショナルの調査によると、若年層女性の35.9%が経済的理由で生理用品の購入に苦労した経験があると答えています。この状況は単に海外の問題ではなく、国内でも多くの人々が直面している現実です。
生理の貧困は多くの女性が生理中に必要な用品を持つことをできない状況を指し、その影響は教育や仕事の現場にも及びます。しかし、最近では地方自治体による取り組みも増えており、富士宮市にもその風が吹いてきています。
国内の取り組みの一例
- - 兵庫県の明石市では、すべての市立学校に生理用品を常備。
- - 徳島県の四国大学では、ナプキンを大学内に設置、生徒主体で運営。
- - 静岡県藤枝市では、公共施設のトイレに生理用品を配布。
- - 浜松市では、公共トイレにIoTディスペンサーを導入しています。
これらの事例は小さな一歩ですが、まだ道半ばというのが現実です。富士宮市でも十分な認知がされていないため、ヘルプフルは市教育委員会への働きかけを行ってきました。
トイレでの生理用品無料配布の重要性
生理は恥ずかしいこと、隠すべきことという固定観念から、相談が難しい「見えない困難」です。学校内では保健室に生理用品が常備されていますが、心理的や時間的なハードルが高く、適切にアクセスすることは簡単ではありません。そのため、トイレで手軽に受け取れる仕組みが不可欠です。
岡山県の高校生たちがこのような課題を解決するために「岡山生理革命委員会」を立ち上げ、成功を収めたことは良い例です。彼らは県内のトイレにナプキンを設置し、70%の利用率を記録しました。ヘルプフルもこの成功事例を参考にし、同様の取り組みを富士宮市で展開しようとしています。
男性が生理に取り組む理由
代表の深澤氏は「生理について男性が話すことがいけないことなのか」と疑問を投げかけます。彼は生理用品の製造に関わった経験があり、その後清掃業を営む中で「生理の貧困」という言葉を知り、困っている女性や初めて生理を経験する子どもたちのために行動する決意をしました。
深澤氏は「生理は誰もが経験する自然なものであり、それを隠さなければならないことではない」という信念を持っています。生理用品の無料配布だけでなく、生理について話し合える社会を構築することが必要だと考えています。
このような取り組みを通じて、富士宮市において生理に関する正しい知識が広まり、誰もが気軽に生理について語り合える環境が整っていくことが期待されます。
クラウドファンディングの詳細
- - 期間: 2025年9月1日(月)~9月30日(火)
- - 目標金額: 50万円
- - 支援方法: クレジットカード、銀行振込、PayPay
- - URL: プロジェクトページ
ヘルプフルの主な活動として、小中学校や地域の拠点での生理用品支援、認知度向上活動、スポンサー企業との協力があります。生理用品を無料で配布することで、より多くの女性が安心して生活できる社会を目指し、ぜひ皆さまのご支援をお願い申し上げます。