未来物流の鍵を握る自動運転トラックの実証
株式会社セブン-イレブン・ジャパン、三井物産流通グループ株式会社、株式会社T2の三社が共同で、業界初となる自動運転トラックによる長距離輸送の実証実験を行います。この取り組みは、関東から関西までの高速道路を対象としており、2050年に向けた持続可能な物流体制の構築に向けた第一歩となります。
プロジェクトの背景
現在、多くの業界で人手不足が深刻な問題となっています。特に物流業界では、ドライバー不足が顕著であり、安定的な商品供給が求められています。このため、セブン-イレブンでは、2001年から展開されてきたプライベートブランド「セブンプレミアム」の商品の輸送を自動化することで、これらの課題を解決する手段を模索しています。
実証実験の概要
この実証実験では、埼玉県の物流拠点から兵庫県の関西センターまで、特定の区間でレベル2の自動運転トラックを用いて商品を輸送します。実験期間は2025年12月から2026年4月までの間に計3回にわたり行われる予定です。
輸送する商品
輸送される商品は、傘やカップみそ汁などの常温商品です。これらの商品は、セブンプレミアムのブランドで販売されており、幅広いニーズに応えるものとなっています。
検証内容
この実証実験の主な検証内容には、自動運転トラックによる長距離走行が可能かどうか、運行所要時間、そして自動運転を用いた配送オペレーションの有効性が含まれます。これにより、セブン-イレブンは、自動運転技術が持続可能な物流体制を実現するために有用であるかどうかを評価します。
バイオ燃料の導入
重要な要素の一つとして、使用済み食用油を基にしたバイオ燃料の使用があります。これにより、環境負担を軽減しつつ、持続可能な配送を実現することを目指しています。このバイオ燃料は、軽油に混合されて使用され、トラックの燃料として利用される予定です。
また、この実証実験に合わせて、B5軽油を給油するスポットが設置される計画もあり、環境に配慮した輸送体制が強化されます。この取り組みによって、CO₂排出量の削減にも貢献できると期待されています。
未来へのビジョン
本プロジェクトは、2027年度には完全なレベル4の自動運転トラックによる幹線輸送サービスの開始を目指しています。セブン-イレブン、MRG、T2の三社は、地域経済の活性化や環境保護に寄与する輸送システムを構築し、持続可能な社会の実現に向けた新たな一歩を踏み出しています。
このように、自動運転トラックの実証実験は、未来の物流を担う重要なプロジェクトです。今後の展開にぜひ注目していきたいところです。