歯間清掃具の使用と歯の喪失リスクの関係
サンスターグループは、自治医科大学と協力し、従業員の歯科健康診断データをもとに、歯間清掃具の長期使用が歯の喪失リスクに与える影響を調査しました。この研究が示した重要な結果をお伝えします。
研究の背景
口の健康は、全身の健康に大きな影響を与えます。特に、歯の喪失は生活の質や健康リスクに直結するため、その予防が求められています。これまで多くの短期的な研究が歯間清掃具の重要性を示してきましたが、長期的な使用の研究は不足していました。
サンスターの研究チームは、2012年から2017年にかけて行われた健康診断から845人のデータを分析しました。対象者は、健常者と歯周炎の患者に分けられ、それぞれのグループにおいて歯間清掃具の使用年数と歯の喪失との関連を検証しました。
研究結果
結果は以下の通りです。
1. 対象者の特徴
健常群と歯周炎群では、使用している歯間清掃具の種類が異なりました。健常群ではデンタルフロスの長期使用が多く見られましたが、歯周炎群では歯間ブラシの使用が目立ちました。これらの違いは、歯周病の状態によって利用する製品がベストであることを示唆しています。
2. 使用年数と喪失リスクの関連
長期にわたって歯間清掃具を使用することで、歯の喪失リスクは有意に低下することが明らかになりました。デンタルフロスを4~5年使用した場合、喪失リスクは0.42倍へ減少し、歯間ブラシにおいても同様に、リスクは0.38倍となりました。これは、継続的なケアの重要性を示すデータです。
研究の結論
この研究から、歯間清掃具は継続利用することで歯の健康維持に寄与することが確認されました。さらに、使用する器具は歯周病の状態に応じて選ぶ必要があります。歯周病が進行している場合は、適切な製品を選択することが特に重要です。
長期的な観点からも、サンスターの研究は口腔健康を守る新たな指標となりうるもので、今後のオーラルケアの普及に寄与することが期待されます。研究結果が多くの人にとって、歯間清掃を見直すきっかけとなることを願っています。
参考文献
- - 論文タイトル:The importance of using interdental cleaning devices on prevention of tooth loss in an employee population: a cross-sectional study
- - 著者:Kyoko Nakao et al.
- - 掲載誌:BMC Oral Health
未来の展望
サンスターは、今後も個々の口腔状態に応じたケアの指導や、大規模データに基づく新たなオーラルケアの開発を進めていく予定です。口腔内の健康を保つために、若い世代からの意識向上が求められています。私たち一人ひとりが日常的に意識し、歯の健康を守る手段として、歯間清掃具の利用を促進していきたいものです。