日本初!多言語あかちゃん絵本『いち にの さん!』の魅力
近年、日本には多くの外国人が住むようになり、多文化共生が話題に上っています。その中で、2025年7月7日に発売される『いち にの さん!』という多言語あかちゃん絵本が注目を浴びています。著者は、静岡県三島市出身の絵本作家・スギヤマカナヨさん。この絵本は、日本語、中国語、ベトナム語、韓国語、フィリピノ語、ポルトガル語、英語、ネパール語、スペイン語と、合計9言語で展開される新しい試みです。
多言語絵本とは?
多言語絵本とは、さまざまな言語を用いてストーリーが展開される絵本のことを指します。日本には在住外国人が増え続けており、さまざまな文化背景を持つ子供たちがいるため、このような絵本のニーズが高まっています。『いち にの さん!』は、それらの子供たちに向けた初めてのあかちゃん向け多言語絵本です。
絵本の魅力と楽しみ方
本書は、単なる言語の羅列ではなく、言葉をデザインの一部として活かす創意工夫が施されています。多文化や多様性を象徴するカラフルなレインボーカラーの文字が、各ページのビジュアルに溶け込んでおり、読者は視覚的にも楽しむことができます。さらに、擬音の表現も言語ごとに異なっているため、さまざまな音を通じて新しい魅力を体験できるのもポイントです。
また、挿絵には「いち にの さん!」というリズミカルなフレーズが溢れ、特にこの絵本の黄色い「まるちゃん」がいろいろな姿に変わる様子は読者にとっての楽しみです。
多様なルーツを持つ子どもたちへ
2024年6月の統計によると、日本に住む外国人は約359万人に達し、その中には日本で生まれ育つ子供たちも多くいます。多言語絵本は、そうした特異な環境で育つ子どもたちにとって、母国語での育児を可能にし、同時に日本語を学ぶための手助けともなるでしょう。スギヤマカナヨさんは、こうした背景を受け、「みんなが同じ本を通じて、楽しめる空間を提供したい」と語っています。
生活に寄り添う工夫
『いち にの さん!』では、絵本の各ページにおいて音声データや手話動画も提供されており、視覚や聴覚に障害がある人たちにも配慮されています。さらに、必要に応じて立体コピーやテキストデータにも対応しており、すべての人々がアクセスしやすい内容となっています。
まとめ
多国籍な文化が交じり合う現代社会において、多言語絵本の存在意義はますます高まっています。『いち にの さん!』は、ただの絵本にとどまらず、さまざまな背景を持つ子どもたちが共に成長できる環境作りの一助となるでしょう。今後のコミュニティの形成にも大いに貢献することが期待されます。この本を通じて、多くの子供たちが多様性を理解し、楽しむ機会に恵まれることを願っています。