地域とシニアをつなぐ新たな旅の形「おてつたび」が二冠受賞

最近の発表によると、株式会社おてつたびが10月に開催された「第12回 JR東日本スタートアッププログラム DEMO DAY」で、総合グランプリとなる「スタートアップ大賞」と、会場投票による「オーディエンス賞」の2つを受賞しました。この快挙は、このプログラムにおいて地域共創をテーマにする企業が二冠を達成した初めてのケースです。

おてつたびとは？

「おてつたび」は「お手伝い」と「旅」を組み合わせた人材マッチングサービスです。人手不足で悩む地域事業者（登録企業数は2,000社を超える）と、旅を楽しみながら地域で働きたいという旅行者（登録ユーザー数は90,000人以上）を結びつけます。このサービスを利用することで、旅行者は旅先で働くことで報酬を得られ、経済的な負担を軽減しつつ地域の文化や人々との交流を深めることができます。

一方で地域事業者は、地域の魅力を伝えながら外からの労働力を確保できる点が評価されています。募集は非常に柔軟で、就業期間や業務内容の調整が可能です。また、働き手が地域を観光することも想定されており、地域経済への貢献も期待されています。

シニア世代との共創

おてつたびの取り組みは特にシニア世代に焦点を当てています。人生100年時代と言われる現代において、地域に住む約2,000万人のシニアがどのように地域とつながり、貢献できるかが重要な課題とされています。今回の受賞スピーチでは、代表取締役CEOの永岡里菜さんが「私たちのサービスを通じて、シニア層が地域の担い手として活躍できる環境を整えたい」と語りました。

JR東日本の「大人の休日倶楽部」との連携により、おてつたびはシニア向けの「入門講座」を開催し、参加への心理的ハードルを下げる努力もしています。このような取り組みを通じて、地域との「人と地域の循環」を実現することが目指されています。地域の活性化が進むことで、多様な人々がシニア世代とともに新しい価値を創造していくことが期待されています。

今後の展開

おてつたびは、福島県の「旅館大黒屋」や宮城県の「青根温泉湯元不忘閣」など、JR東日本沿線の事業者と共に実証実験を進めています。今後は、「大人の休日倶楽部」会員向けの講座を通じて、安心して参加できる環境を整えるとともに、幅広いネットワークを活用してサービスの拡大を図る方針です。

また、参加者からの声によると、50代以上の利用者が増えており、希望や新たな挑戦を求める人々が増えてきていることがわかります。これにより、おてつたびは若年層に限らず、シニア世代にも広く利用されるようになっています。彼らは、自己実現のために新しいスタイルの旅を選んでいるのです。

結論

「おてつたび」は、多世代の交流を促進し、地域経済を活性化させる新しい試み注目されています。今回のダブル受賞を契機に、さらに多くの人々とのつながりを深め、地域とシニアが結びつく新たな旅の形が創出されることが期待されます。お手伝いを通じて、旅行がより豊かで意味ある体験に変わることでしょう。今後の活躍にも目が離せません。