静岡のアルテミラグループがリサイクルプラントを強化
静岡県小山町に位置するアルテミラグループのアルミ缶リサイクルプラントが、約5億円の投資を通じて、その処理能力を約15%向上させることを発表しました。この取り組みにより、使用済み飲料用アルミ缶(UBC)の処理が効率化され、環境への配慮と持続可能な社会の実現に寄与することが期待されています。
アルテミラグループの概要
アルテミラグループは、アルミニウムの専業メーカーとして、アルミ缶の製造において水平リサイクル事業を推進しています。グループ内には、UBCの収集を行うアルテミラ・テクノソリューションズ、前処理や溶解を担当するMAアルミニウム、そして実際にアルミ缶を製造するアルテミラ製缶株式会社が存在し、一貫した製造プロセスを持っています。この結果、アルミ缶製品の約4割には、リサイクルプラントで再生されたアルミ材が使用されています。
ある調査によれば、UBCから再生されたアルミ材は、ボーキサイトから新たに製造する場合に比べ、エネルギー消費をなんと97%も削減することができます。このため、再生アルミ材の活用は、サーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルの観点からも非常に重要な取り組みとなっています。
プラントのアップグレード内容
今回の投資では、主に2つの設備の更新が計画されています。まずは、UBCを解砕するための解砕機です。この設備は、圧縮されたUBCの塊を砕いて、小さな裁断片にする役割を担っており、今後は別の工程で処理する必要がなくなります。この更新は2026年2月を予定しています。
次に、焙焼炉があり、これはアルミ缶に印刷された塗料などを熱分解するための処理炉です。この設備は2025年1月にすでに更新が完了しており、処理能力を向上させています。
これらの更新により、アルミ缶リサイクルプラントにおける再生アルミ材の生産能力が15%向上し、年間約5万トンの生産が見込まれています。
動画で見るリサイクルプロセス
ちなみに、UBCのリサイクル工程から実際のアルミ缶の製造に至るまでのプロセスは、YouTubeチャンネル「プロセスX」で公開されています。動画は2023年10月にアップされており、約21分の内容となっています。リサイクルの過程に興味のある方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。
環境への貢献
アルテミラグループは、「アルミの技術で夢のアルミライを®」という理念のもと、持続可能な社会の構築に向けて、アルミニウムに真摯に向き合っています。グループの各社が持つ技術力を駆使し、これからも循環型社会の実現をリードしていくことが求められています。静岡には、このような社会貢献に取り組む企業が存在し、地域のサステナビリティに寄与していることを誇りに思います。今後の展開にも注目が集まります。