すべての人に優しい店舗を目指して
ファミリーマートは、2025年11月に東京で開催される「デフリンピック」に向けて、オンライン手話通訳サービスを導入することを発表しました。この取り組みは、障がいのある方が安心して店舗を利用できる環境を提供することを目的としています。今回は、その背景や今回の取り組みの詳細についてご紹介します。
コンビニ業界初の試み
このサービスは、株式会社ミライロと連携して実施され、2025年11月4日から30日までの間、デフリンピック会場周辺のファミリーマート48店舗で利用可能になります。このオンライン手話通訳サービスは、これまでにない新しい試みで、聴覚に障がいのある方々が円滑にコミュニケーションを図れるよう支援するものです。
取り組みの背景
ファミリーマートでは、過去に手話コミュニケーションの支援として、指差しシートやコミュニケーションボードを店舗に取り入れてきました。しかし、聴覚や言語に障がいのある方がより快適に買い物ができるようにするためには、さらなる工夫が求められていました。2025年に開催されるデフリンピックを機に、より多くの人々がコミュニケーションを楽しむことができる店舗づくりを目指し、本サービスの導入を決定しました。
オンライン手話通訳サービスの仕組み
ミライロが提供するオンライン手話通訳サービスは、特別なアプリをインストールする必要がなく、店舗に設置された二次元コードをスマートフォンで読み取ることで、手話通訳者に接続する仕組みです。これにより、顧客は手話で意思を伝え、ストアスタッフは音声で応答することで、リアルタイムにコミュニケーションが行えます。
操作は非常にシンプルで、顧客が二次元コードを読み取った後、店舗名または自身の名前を入力し、呼び出しボタンをタップするだけ。手話通訳者が即座に繋がり、スムーズな会話が可能になります。
スタッフへの研修
オンライン通訳サービスの導入に際し、全てのストアスタッフには事前に手話講習会を実施し、スキル向上を図っています。この研修は手話検定の資格を持つ講師によって監修され、店舗全体のサービス品質向上を目的としています。また、全店舗にはユニバーサルマナーBOOKが配布されており、高齢者や外国人、障がい者など、多様なお客さまに対する理解を深めるための取り組みも進められています。
多様性を尊重する姿勢
ファミリーマートの取り組みは、2024年に施行される改正障害者差別解消法とも関わっており、障がい者への合理的配慮の義務が法的に強化される中で実施されています。代表取締役社長の垣内氏も、「単なる小売店ではなく、インフラとしての役割を果たすことが求められている」と述べており、ストアスタッフとのコミュニケーション手段が多様化することが、ファミリーマートの選ばれる理由になると考えています。
まとめ
ファミリーマートの今回の取り組みは、すべてのお客さまが安心して利用できる環境作りを目指す重要なステップと言えるでしょう。デフリンピックを契機に、手話通訳サービスが日常的に利用されることが期待される中、ファミリーマートがその先駆けとなることは、多くの人に希望を与えることでしょう。これからも、多様なニーズに応え、誰もが快適に利用できる店舗づくりが続くことを願っています。