静岡発、骨髄移植後の新診断技術
2025年12月23日、株式会社TL Genomics(ティーエル ジェノミクス)は、骨髄移植後の治療経過を評価する「キメリズム検査」の技術が、静岡県「ファンドサポート事業」に採択されたことを発表しました。この検査は高感度で低コストを実現する国産の診断技術として、静岡県内での社会実装を目指しています。
骨髄移植の重要性とその課題
血液がん治療の中で、骨髄移植は非常に重要な選択肢となりますが、移植後の経過観察においては課題も残ります。特に、再発兆候を高感度で把握できる保険適用の検査が国内には存在せず、多くの患者が不安を抱えながら長期にわたって経過観察を行う必要があります。
新技術の特長とその意義
TL Genomicsが開発した「InDel-dPCR法」は、既存の検査法と比べて高い感度を持ち、同性間移植に対応した新しい手法です。従来の検査法の持つ限界を克服し、より早期に再発を検出できる可能性があります。この新技術は、従来法と比較して10倍の感度を持ちながら、コストは海外の関連製品の約1/20に抑えていることが特徴です。
POCT検査による患者の負担軽減
また、今回の技術により、自宅で簡単に状態を確認できるPOCT(Point of Care Testing)検査が可能になります。これにより、骨髄移植後の日常生活を取り戻した患者も、不安な症状が出た際に迅速に検査を行えるようになります。定期的な病院通いが難しい方々にとって、非常に大きな助けとなるでしょう。
大阪大学との共同研究による成果
TL Genomicsは、大阪大学との共同研究によってこの新技術を開発しました。臨床研究においては100症例でその有用性が確認されており、2024年までには日本造血・免疫細胞療法学会の支援研究として認定される予定です。これにより、今後ますます実用化が進むことが期待されます。
静岡県の医療技術発展に向けて
TL Genomicsの今回の取り組みは、地域から新たな医療技術を社会に届けるモデルケースとして期待されています。静岡県のファンドサポート事業からの資金援助を受け、体外診断用医薬品の製造拠点を設立予定であり、国内初の保険適用を目指しているため、医療の質向上に貢献することが目指されています。
未来への展望
この新診断技術が実用化されることにより、骨髄移植後の患者たちの不安を軽減し、より安心できる治療環境が整うことが期待されます。今後もTL Genomicsが目指す医療の質向上に向けた努力に注目を集めます。