松山エデンの園が「終活」を物語にする新プロジェクトを開始

愛媛県の松山エデンの園が、地域住民の「終活」を身近に感じられるような新しい試みを開始しています。このプロジェクトは、ショートショート作家・田丸雅智氏の協力のもと、参加者と共に物語を創作することを目的としています。

終活を考える日セミナーでの創作活動

今年の10月1日、終活を考える日と連動したセミナーが開催され、約50名の参加者が田丸氏に導かれて物語の作り方を学びました。ワークショップは、参加者が主体となり、自らの「終活」の思いを短い物語にまとめるという形式で進められました。

物語創作は、次の3つのステップから成ります：
1. 不思議な言葉を考えて作る
2. その不思議な言葉から想像を広げる
3. 想像したことを短い物語にまとめる

参加者はこの流れに従って、2つのステップまでは田丸氏と共にアイデアを出し合い、最後のステップは田丸氏が持ち帰って作品に仕上げることになっています。

想像を膨らます力

参加者が提案した不思議な言葉は「さわやかなお墓」「きょろきょろと歩くお墓」「いやされるバトンタッチ」「乾杯しながらバトンタッチ」の4つ。その中から「きょろきょろと歩くお墓」が選ばれ、このテーマでの想像が広がりました。

具体的には、デパートの屋上にあるお墓や、テーマパークのようなお墓など、多彩なイメージが飛び交いました。それぞれのお墓に家紋があり、ボタンを押すごとに話しかけてくれるような、楽しさを感じられるお墓の姿が皆の共通意見として浮かび上がったのです。

このように、参加者の自由な発想力が生かされ、元々の「終活」という考えを超えて、様々な楽しい物語を書くことができたことが印象的です。

FM愛媛での放送予定

この取り組みで生まれたショートショート作品は、FM愛媛の番組「Fine」にて、11月5日（水）10:30頃から放送される予定です。参加者のリアルな思いと新しい視点が詰まった作品を、ぜひ聴いてほしいと思います。

田丸雅智氏のプロフィール

田丸雅智氏は1987年に愛媛県で生まれ、東京大学工学部を卒業。その後も多様な文学活動を行い、特にショートショートの分野においては注目の存在です。彼の代表作には「海酒」や「思い出香」があり、特に「思い出香」はアロマとしても展開されています。

田丸氏の作品は、物語の力を通じて人々の心に深く響くものであり、「終活」というテーマを新しい形で捉える試みが期待されます。詳しいプロフィールはこちらからご覧いただけます。

今後の展望と終活アライアンス

松山エデンの園は、終活をより多くの人に知ってもらうために、「終活アライアンス」も発足しました。様々な団体が協力し、地域での終活を支えていくためのネットワークを強化していきます。

このような新しい取り組みが通じて、地域の住民が終活を身近に考えるきっかけとなり、共に支え合う社会の実現を目指します。これからの松山エデンの園の活動から目が離せません。