浜名湖の生態系を再生する新プロジェクトが始動!アマモ栽培実験の全貌
静岡県の美しい浜名湖が、官民一体となった新たな試みによって生まれ変わろうとしています。一般社団法人静岡UPが主導する「浜名湖ワンダーレイク・プロジェクト」は、壊れかけた生態系の回復を目指して2023年度から活動を開始し、2025年にはその成果が期待されています。特に注目すべきは、アマモの栽培実験です。
浜名湖ワンダーレイク・プロジェクトとは
静岡UPは、有識者委員会を設置し、浜名湖アマモの育成や地域の子どもたちへの教育、地域企業との連携など、幅広い活動を展開しています。このプロジェクトは、海を介して人と人を結びつける「日本財団『海と日本プロジェクト』」の一環としても位置づけられています。
有識者委員会のメンバー
委員会は浜名湖の現役漁師や大学教授、各種行政、さらにはメディア関係者など、幅広い知識と経験を持つ専門家たちで構成されています。委員長は長年アマモの生態を研究してきた徳増隆二氏、副委員長には静岡大学の教授の笹浪知宏氏が名を連ねています。
2024年度の活動内容
2024年度は、アマモ育成教室を地元小中学校で開催するなど、実践的な教育プログラムを展開します。また、浜名湖の3Dデジタル海底マップの制作や、ブルーカーボンクレジットの観測手法の検討も行います。地元企業と連携しながら、地域全体でのアマモ育成を推進することを目指しています。
巨大水槽でのアマモ栽培実験
具体的な栽培実験は浜名湖体験施設ウォットを舞台に、地元企業や学校と協力して行われます。「強いDNAを持つ」アマモ苗を巨大水槽で育て、実際に浜名湖で栽培する技術を模索しています。この実験の様子は、イオンモール浜松市野でも展示されており、地域住民の関心も高まっています。
地元高校生とのコラボ
さらに、地元高校生とのコラボレーションも進行中です。高校生たちと一緒に開発した水中ドローンを用いて、アマモの定点観測を行い、そのデータを基に環境の変化を追跡します。この新しい技術の導入は、アマモ場の生態を詳細に把握するために重要な役割を果たしています。
研究機関との共同実験
浜名湖だけでなく、県外の研究機関とも連携し、アマモの活用施策や食害をもたらすウニの活用についても研究を行なっています。これらの取り組みを通じ、浜名湖の生態系をより良い方向に導くための知見が集まっています。
2025年度に向けた目標
2025年度には、アマモの植え替え実証事業を計画しており、浜名湖の海浜でのコロニー拡大を図ります。この実証事業は、静岡県水産技術研究所や浜名漁協などが協力し、地域全体で取り組む活動として進められます。
まとめ
浜名湖ワンダーレイク・プロジェクトは、アマモの栽培を通じて環境保全と地域活性化を目指す革新的な試みです。地域の子どもたちとともに、次世代に美しい浜名湖を引き継いでいくための活動に注目が集まっています。ぜひ今後の進展にご期待ください。