静岡県島田市における避難所入所受付のデジタル化実証実験
最近の自然災害の頻発に伴い、防災システムの革新が急務となっています。そんな中、島田市で行われた避難所入所受付のデジタル化実証実験が注目を集めています。株式会社バカンが実施したこの実験は、従来の受付方法から脱却し、AIとIoT技術を駆使することで、避難者がスムーズに避難所に入る手続きを可能にしました。
実証実験の目的と背景
近年、日本各地で自然災害が増え、避難所における混雑が新たな課題となっています。避難者がスムーズに入所できない現状を打破するため、バカンは島田市と協力し、デジタル化を進めることを決定しました。この試みは、混雑を軽減し、避難者の安全確保を目指しています。
実証実験の詳細
2024年12月1日、島田市立六合中学校体育館で行われたこの実証実験には、島田市役所の職員と市民が参加。手続きのデジタル化の効果を測るため、以下のステップで実験が進行しました。
1.
アプリにてQRの読み取り
避難者は事前に登録したアプリを使用し、カメラでQRコードを読み取ります。
2.
マイナンバーカードリーダーによる受付
マイナンバーカードを読み取ることで、リーダーを介して個人情報が登録されます。
3.
従来の紙媒体への記入
避難者は従来通り、避難者カードに記入します。
この三つの手法を使って、所要時間を比較しました。
検証結果
結果は驚くべきものでした。アプリによるQR読み取りは、わずか21秒で完了し、従来の方法の半分以下の時間を記録。避難者からのアンケート結果でも、新システムへの肯定的な反応が見られました。特にQR読み取り方式では93.5%の高い評価を得ており、全体の作業がスムーズに行えることが確認されました。ダイレクトな情報登録が行えるため、多くの避難者が同時に手続きを進められることから、災害時の混雑緩和も期待されます。
アプリ「tami tami」の役割
今回の実証に使用したアプリ「tami tami」は、平常時における地域交流を促進しつつ、非常時には避難所の位置や混雑状況を把握するための便利な機能を備えています。ユーザーは事前に避難者の基本情報を登録し、災害発生時にはQRを読み取るだけで簡素な入所手続きが可能です。さらに、避難所マップやリアルタイムの混雑情報の提供、電子回覧板としての機能も有しています。
今後の展望
バカンは、今後も「tami tami」を利用して、避難所のデジタル化や混雑状況の配信に力を入れていきます。また、マイナンバーカード認証によるチェックイン機能や避難所に必要な物資の管理など、多岐にわたる機能の開発を目指しています。これにより、災害発生時にも安全でスムーズな避難を実現し、地域の防災対策を一層強化していく方針です。
まとめ
今回の実証実験が示した結果は、避難所入所受付のデジタル化がもたらす多くの利点を示しています。今後、他の自治体でも採用されることが期待され、ますます進化を続ける防災対策の一環となることでしょう。バカンの挑戦は、私たちの日常生活における安心をどのように向上させるのか、今後の動向に注目です。