光半導体事業の新たな一歩
静岡県浜松市に位置する浜松ホトニクスの新貝工場が、光半導体事業のさらなる拡充を目的に新棟を完成させました。この新施設は、医療や自動車、産業分野向けに供給される光半導体素子の後工程を強化するためのもので、2025年5月から本格的に稼働を開始します。
新棟の竣工とその目的
竣工式が2023年3月27日に行われた新棟は、イメージセンサを中心とした光半導体製品の生産能力を拡充することを目指しています。近年、半導体の需要が急増しており、特にイメージセンサの需要はここ数年で急速に高まっています。それに応じて、新棟では生産スペースを増やし、より多くの製品を提供できる体制を整えることが求められていました。
新貝工場内の新棟は、既存の2つの棟と接続され、クリーンルームを一体化しているため、作業の効率化を実現します。これにより、製造工程の自動化や省人化が進み、製品の生産性向上に寄与することが期待されています。
環境と安全に配慮した設計
新棟の設計には、災害対策や環境対策がしっかりと組み込まれています。地震や水害に強い建物構造が採用され、リスクを最小限に抑える工夫がなされています。また、断熱構造や太陽光発電設備の導入によって、環境に優しいエネルギー利用が促進され、持続可能な製造が行われます。
さらなる成長を目指して
光半導体の需要は今後ますます高まることが予想され、この新棟がその需要に応えるための重要な役割を担います。新貝工場においては、今後も生産能力の向上を図り、10年後には光半導体事業の売上が倍増することを目指しています。
プロセス工程についても、本社工場に新棟を建設中であり、より大きな直径8インチのシリコンウエハに対応した製造工程を2026年から稼働させる予定です。これにより、さらなる事業の成長が期待されています。
新棟の基本情報
- - 建物名称: 新貝工場3棟
- - 建築場所: 静岡県浜松市中央区新貝町1128番地
- - 建築工期: 2023年3月着工、2025年3月竣工
- - 稼働予定: 2025年5月
- - 建築構造: 鉄骨造 地上4階
- - 建物面積: 建築面積3,823㎡、延床面積13,343㎡
- - 施設構成: 各階に光半導体素子の組立工程を配置
- - 総工費: 約75億円
- - 収容人員: 約100名
- - 生産品目: 光半導体素子
- - 生産能力: 約300億円(売上高換算)
この新棟によって、浜松市の光半導体事業は新たなステージへと突入します。持続可能な未来を見据えた取り組みが期待され、地域経済にも大きな影響を与えるでしょう。