合作によるグリーン水素の未来
静岡大学とコスモエネルギーホールディングス株式会社は、2025年の新たな幕開けとして、経済性の高いグリーン水素製造を目指す共同検討を開始することを発表しました。この取り組みは、地球環境への配慮から生まれたもので、グリーン水素の製造技術は、温室効果ガスの削減に向けた重要な解を提供します。
背景と必要性
green hydrogen(グリーン水素)は、CO2を環境に優しい素材へと変換する技術であり、特に「Carbon dioxide Capture and Utilization(CCU)」技術はその中心的な役割を果たします。しかし、日本国内では電力コストが高く、海水の電気分解によるグリーン水素製造は非常に高価なプロセスとなっていました。これが、CCU技術の普及における障害となっています。
このため、よりコスト効率の良いグリーン水素製造技術が強く望まれているのです。そこで注目されたのが、静岡大学の電気化学を用いた新技術である「Carbon dioxide Ocean Capture and Reuse(COCR)」です。この技術によって、海水を活用し、CO2を固定化しつつ水素を生成することが可能になります。
共同検討の詳細
コスモエネルギーグループは、自社の再生可能エネルギーを使用して、グリーン水素製造に必要な電力を供給します。また、石油精製プロセスにおいて大量の海水を使用するため、海水をくみ上げるインフラも整備されています。これを活かし、コスモエネルギーの再生可能エネルギーや設備と、静岡大学が独自に開発したCOCR技術を組み合わせることで、より効率的にグリーン水素を製造し、CO2の削減を進めていく計画です。
このようにして、両者の技術と資源を融合させることで、グリーン水素の利用を促進し、持続可能な社会の実現に貢献することが期待されています。
カーボンニュートラルへの道
コスモエネルギーグループは2050年までに、カーボンネットゼロの達成を目指しています。この目的のために、GHG(温室効果ガス)排出量の削減、CCU技術やCO2の分離回収技術(CCS)を用いた研究に取り組んでいます。さらに、静岡大学も温室効果ガス削減に向けた基礎研究や実用化に努めており、共に社会の持続可能性を高めるための取り組みを行っています。
まとめ
この共同研究は、グリーン水素製造の技術革新に寄与し、温室効果ガスの削減に向けた具体的な一歩となります。静岡大学とコスモエネルギーグループが手を組むことで、将来的には、低コストで効率的なグリーン水素の製造が可能になり、持続可能なエネルギー社会の実現に向けた道筋が開かれることでしょう。これからの進展から目が離せません。