東京の島々を救う、人手不足解消への新たな一歩
株式会社おてつたびが、東京の島々において直面している人手不足問題を解決するため、七島信用組合との提携契約を結びました。この協業は、2025年4月15日からスタートし、東京都の伊豆諸島や小笠原諸島の人口減少と高齢化が進む中で、新しい働き方を提供するものです。
導入の背景
東京都の島しょ地域では、高齢化が37.8%に達し(2020年国勢調査より)、全国平均を大きく上回っています。これは非常に深刻な問題で、特に観光業や農業などの事業者は島外からの人手を確保する手立てがないまま、廃業に追い込まれるケースも増加しています。そんな中で誕生したのが「おてつたび」です。
おてつたびの概要
「おてつたび」は、短期アルバイトと旅を組み合わせた新しい人材マッチングサービスです。このサービスでは、地域の短期的な人手不足を解消するため、季節労働を希望する旅行者と地域事業者を結びつけることができます。働きながら旅を楽しむことができ、双方にとって新しい価値を生み出します。
提携がもたらすメリット
七島信用組合との提携により、島しょ地域に特化した人手不足のニーズに応えることが可能になります。七島信用組合は地域の金融機関であり、その取引先が抱える人手不足の問題に「おてつたび」を紹介し、導入に関するサポートを行います。この取り組みにより、今まではアプローチできなかった島外からの応募者を得ることが期待されます。
また、繁忙期に合わせた短期間での人材確保も行えるため、急な人手不足にも迅速に対応できる体制が整います。そして、島外から来た就労者が地域のファンやリピーターを生むことで、長期的な地域活性化に寄与することが狙いです。
おてつたび利用の魅力
おてつたびの大きな特徴は、中短期の就業期間と業務内容を柔軟に設定できる点です。最短1泊2日から最長2ヶ月までの活動が可能で、地域の魅力を様々な形で体験しながら働くことができます。利用登録は無料で、実際にマッチングが成立したときだけ手数料が発生するため、事業者にとっても利用しやすいシステムになっています。
加えて、働き手たちは単に労働するだけでなく、仕事の合間に観光や地元の人々との交流を楽しむことができ、「観光以上で移住未満」の体験が得られます。それにより、地域のファンを増やし、より深い関係人口を築くきっかけとなります。
効果の実績
これまでのアンケート調査で、利用した事業者の84%が「人手不足が解消された」との回答があり、参加者の86%が滞在地域を再訪したいと答えています。さらに、80%の人が「おてつたびがなければ訪れる予定がなかった」とも述べており、関係人口の創出にも貢献しています。
まとめ
おてつたびと七島信用組合の提携は、東京の島しょ地域が抱える人手不足の解決に向けた新しい取り組みの第一歩です。旅行者と地域がつながることで、双方にとって有意義な関係を築くことが期待されます。地域の活性化に向けたこの革新的な試みに、今後も注目が集まることでしょう。