静岡銀行が遺贈寄付の普及に「えんギフト」を設置
静岡銀行が全店舗に「えんギフト」を設置し、遺贈寄付の普及を促進する取り組みを始めました。この「えんギフト」は、一般社団法人日本承継寄付協会が発行する、遺贈寄付に特化した情報誌です。遺贈寄付は、相続財産の一部を非営利活動法人や地域の学校などに寄付する手段であり、大きな社会貢献へと繋がります。残された資産をどう活用するかを考える良い機会になるでしょう。
遺贈寄付とは
遺贈寄付とは、亡くなった後に遺言を通じて資産を寄付する方法で、安心して寄付を行うことができる点が大きな魅力です。しかし、日本では遺言書の作成に対する抵抗感や認知度の低さから、遺贈寄付が一般的ではありません。この問題を解決するため、静岡銀行は寄付についての情報提供を強化し、利用者が寄付先をしっかりと考えるためのサポートを行います。
今回の取り組みは、全国で26,000部が配布されている「えんギフト」を静岡県内の店舗に設置することにより、多くの人々に遺贈寄付の理解を深めてもらうことを目的としています。この情報誌には、遺贈寄付の手続きや寄付先を検討するための参考情報が含まれています。
フリーウィルズキャンペーン
さらに、静岡銀行は「フリーウィルズキャンペーン」にも参加しています。このキャンペーンは、遺言書の作成を後押しするもので、遺贈寄付をもっと身近に感じてもらうための取り組みです。具体的には、専門家の報酬の一部を助成することで、遺言書作成のハードルを下げることを狙っています。
2022年には250万円の助成金原資から50件の遺言書が作成され、11億7800万円の遺贈寄付が実現しました。2023年に入っても同様に250万円の助成金原資を用意し、さらに多くの遺贈寄付の実現を目指しています。
共同協力で広がる輪
一般社団法人日本承継寄付協会は、遺贈寄付の普及を目的に設立された団体です。協会は静岡県内の自治体や大学とともに、遺贈寄付の意識啓発や支援活動を進めてきました。遺言書が日本でまだ十分に普及していない現状を打破するため、様々な取り組みを行った結果、寄付文化を高める活動が地域の皆様に広がっていくことを期待しています。
静岡銀行と日本承継寄付協会が手を組むことで、地域貢献の新しい形が生まれようとしています。寄付を通じて人々の思いを未来へ繋げるための商品の提供は、社会全体にとって有意義なものとなるでしょう。
私たちも自分にできることを考え、寄付について深く考える良い機会が訪れています。「えんギフト」を手に取って、寄付のことをもっと知り、次の世代に自分の意志を繋げていく一歩を踏み出しましょう。