遠州織物を通じて学ぶSDGsの出前授業が蒲小学校で実施
静岡県浜松市の蒲小学校では、令和7年5月26日(月)に、5年生の児童を対象に「遠州織物」に関する出前授業が行われます。この授業は、地域を代表する産業である遠州織物を学びながら、持続可能な開発目標(SDGs)についても触れることを目的としています。これまでハギレの提供は行われていましたが、小学校への支援は今回が初めての試みです。
出前授業の内容と意義
今回の出前授業では、まず「HUIS(ハウス)」という遠州織物を活用したアパレルブランドが、自社で生じた洋服製作過程の端材やハギレを蒲小学校の5年生150人に提供します。ハギレは、地元の産業に親しむだけでなく、SDGsの理念を理解するための重要な素材となります。
授業は総合的な学習の時間に組み込まれ、今後図画工作科や家庭科で学んだ内容を深めるために活用される予定です。このアプローチにより、子どもたちは地域の特産品である遠州織物の特別な風合いを体感し、伝統的な技術に興味を持つきっかけを得ることが期待されています。
HUISの取り組み背景
株式会社HUISは、毎年40,000着以上の製品を製造しています。その中で生じる裁断クズやハギレは、通例廃棄される運命にあります。しかし、HUISではこれらの材料を地域の教育に役立てることで、持続可能な開発と地域振興に寄与する試みを行っています。この取り組みは2025年4月からスタートし、地域内で広がりを見せています。
地域産業への理解を深めるために、またSDGsについての問題意識を高めることを目的として、今回のハギレ提供や出前授業が実施されます。子どもたちが環境や地域産業への意識を持ち、実際の行動に結びつけることが重要です。
講師と地域の連携
授業を担当する講師は、HUISの代表取締役である松下昌樹氏です。松下氏は浜松市出身で、かつて浜松市の職員として地域産業の振興に従事していました。自らも遠州織物を使用したアパレルブランドを運営しており、直接地域の子どもたちにとって身近な存在です。専門的な知識を持つ松下氏から学ぶことで、児童たちは遠州織物の魅力やその背後にある技術についてより深く理解できるでしょう。
地域のブランドとしてのHUIS
HUISは、浜松市を拠点に全ての製品を遠州織物で製作するアパレルブランドです。特に旧式のシャトル織機で織られる生地の特徴を活かし、全国に多くのファンを持つブランドとして知られています。また、HUISはSDGsに基づいた持続可能なファッションを展開しており、地域産業の特性を生かした製品作りを行っています。
このような取り組みが、蒲小学校の児童たちにも地域への愛着と理解を育むことに繋がっています。今後もHUISの活動がさまざまな形で地域に広がり、次世代の教育に貢献することが期待されます。
私たちも、HUISを通じて遠州織物の魅力に触れ、その素晴らしさを広く伝えていけるよう努めていきましょう。